
2025年06月05日
英語教育に長年従事して気がついたことがあります。
勉強・雇用など英語に関心がある方は7割近くが女性です。
海外在住者・帰国子女・インターに通学する低学年の女児は
小学生であるにもかかわらず、準1級レベルに挑戦し
保護者も非常に熱心な方が多いです。
英検準1級は、難しい試験であり年々レベルもあがってきています。
大学受験・留学・就職ではかなり有利な資格のため、
準1級を狙うにはどうしたらいいですか?の問合せも増えています。
小学生で挑戦し【Eikenわーるど】では
低学年でも準1級にチャレンジし合格された受講生は多くいます。
ただし、
小学生が合格するのは相当な努力と適切な指導が必要です。
試験内容は高校・大学生以降を対象とした試験問題を作成して
いるので、内容も高度となり
準1級・1級レベルはどんなに優秀な方でも
1回で合格することはほとんどありません。
1級は毎年挑戦し、今年で〇年目と言う方もいます。
級を獲得するより「己にかつ」を目標に頑張られている方もいます。
9~11歳という年齢で挑戦されること自体、
素晴らしい挑戦ではありますが試験の性質や内容の中身を考えると、
保護者の方も不合格になっても 合否に目くじらをたてず
現実的な問題を直視し対応について模索していただけると幸いです。
英検準1級の難易度について
英検準1級は、CEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)でいえば
B2~C1レベルに相当し、大学生や社会人が挑戦するレベルです。
試験内容には以下のような特徴があります:
★ライティング/ 抽象的なテーマや社会問題について意見を述べる
必要がある。
★長文読解/ 専門的な内容や複雑な文章構造が含まれる。
★リスニング/ 実際の会話やニュースなど、
スピードが速く内容も多岐にわたる。
これらは、語彙力や文法力だけでなく、背景知識や論理的思考力も求められるため、小学生にとっては非常に高いハードルとなります。
小学生が挑戦する場合の課題
語彙力の不足: 小学生の年齢では、英語だけでなく日本語でも
抽象的な概念や社会問題に関する語彙が十分でない場合が多いです。
★経験の不足/ 社会問題や抽象的なテーマについての意見を述べるには、
ある程度の人生経験や知識が必要。
★精神的なプレッシャー/ 難しい試験に何度も挑戦して不合格になると、
自信を失うこともある。
保護者様の期待と現実のギャップ
保護者さまが「指導が悪い」と感じられるとしたら
お子さんの努力やポテンシャルを信じているからこそだと思います。
しかし、英検準1級は単に指導方法の問題ではなく、
試験の難易度自体が高いことを理解する必要があります。
指導する立場としては、 試験の合否だけでなく、
英語力の向成長のプロセスを重視し、
挑戦する姿勢を評価してあげることが大切です。
今後の進め方
準1級の内容をいきなり全てこなすのではなく、
少しずつ難易度を上げていく。
語彙力が弱いです。準1級の単語帳を分割し繰り返して学ぶ。
読解も苦手です。まずは短い文章から始め、徐々に長文に慣れる。
会話力はあるので、リスニング・スピーキングは問題ありませんが
一番の弱点はライティングです。対策としては
簡単なテーマから練習し、少しずつ抽象的なテーマに挑戦する。
日本語での意味が理解できない場合はそれに関する内容について
十分に理解できるようにすることから始めてください。
試験勉強だけでなく、映画や本、ゲームなどを活用して
英語を楽しむ環境を作り、専門家のアドバイスを受け入れ
適切な指導法を取り入れましょう。
英検準1級は大人でも難しい試験であり、
小学生が挑戦すること自体が非常に立派なことです。
ただし、合格に至らない場合でも、それは指導が悪い訳でなく
試験の難易度や年齢に応じた課題が影響している可能性が高いです。
ご家庭では、合否に一喜一憂せず
お子さんの挑戦を応援しつつ、現実的な目標を設定し、
長期的な視点で英語力を伸ばしていくことをおすすめします。
試験の結果以上に、学びのプロセスを大切にしていただければ
より良い成果が得られるでしょう。